うつ病体験記①

 

新卒からシステム開発会社へ入社

自分のやりたい事が特になかったので、IT業界は「将来伸びそうな業界かな~?」という理由だけでシステム会社に入社しました。

ただ学生時代は、パソコンを触った事がなく電源の付け方もわからない全くのど素人でした。
なので入社当初は「システム?」「C言語?」「プログラム?」「何をするの?」など頭の中は???だらけでした。

そんな全くのど素人が、いきなりお客様先へ常駐します。
ただ、一緒に働くことになった、違う会社の先輩がすごく良い人だったので、わからないなりにもなんとか続けられました。
期間として約1年半続けることができ、システム、プログラムの事が少しわかってきました。

ほどなくして次の案件が決まり、別のお客様先へ常駐します。

戦力になりはじめるに従って、徐々に残業が多くなっていきました。忙しかったけど、愚痴を言い合える同期もいたし、人間関係もある程度良かったので、なんとか乗り切れていました。
でも気持ちは荒んでいき、毎日のように同期と酒を飲み、いろいろと散財することによりストレスを発散するという、荒れた生活になっていきました。

常駐し始めて5年ほど経った頃、システムを作り変える計画が持ち上がりました。
この計画は、あまりにも無謀すぎて、取り掛かる前から「間に合わないだろうなー」と感じてはしていました。でも「上司もいるし何かあればなんとかしてくれるだろう」と思ってました。

徹夜もして頑張ってみたものの中途半端な状態でリリース日を迎えました。。。
リリース後1週間は、テスト運用ということで「時間の空いた時に使ってみてね。」的な感じでユーザーに伝えてました。
でも、ユーザーも日々の業務が忙しいので結局はテスト運用期間にはほとんど新しいシステムを使ってもらえませんでした。

テスト運用期間中には「大きな問題は起きなかったね」と判断が下され、本番稼働します。。。

ユーザーが本格的にシステムを使い始めると、”不具合が出るわ出るわ”な状態になります。
いわゆるデスマーチ(死の行進)と呼ばれる状態になりました。
ユーザーから指摘を受ける→徹夜して修正→修正箇所でミスが起きる→ユーザーに怒鳴られる→徹夜して修正という負のスパイラルに陥ります。こうなると冷静な判断はできず、しまいには上司は逃走。。。

心身ともに疲弊しきり、意識をなくしました。

この出来事が今後のエンジニア人生を苦しめました。

違うシステム開発会社へ転職

体力も回復し、給与UPしたかったので、別のシステム開発会社へ転職します。
この会社も常駐型で入社して暫くは自社で待機してました。
待機中は、以前に経験したデスマーチの恐怖が頭をよぎり、不安で不安で仕方ありませんでした。この時すでに少し精神的におかしくなっていたかもしれません。

でも周りの人たちにも助けられ、なんとか案件も決まり5年ほどは順調に経過しました。
しかし、ここでもシステムを作り変える話しが出ました。

システムを作り変えるにあたって、システム部に新しいメンバーが増えました。
ここから歯車が狂いだし、ただでさえ忙しいのに人間関係も最悪な状態になりました。

もちろん人間関係が悪い組織ではコミュニケーションがとりづらいため、独断で進め、結果使い物にならないシステムが出来上がります。
こうなるとやはりデスマーチになります。まだ入社して間もない社員が徐々に脱落していきます。

このころから僕の精神状態も不安定になり始め、突然悲しくなったり、怒りがこみ上げてきたりなんとも言えない気持ちになっていきました。
そしてついに同僚からの「もう頭がおかしくなったんじゃないの?」という一言で完全に心が折れました。
あの時は、心が折れる音、「ポキッ」という音が頭の中で響いた感じがしました。

この時初めて心療内科に行き、うつ病の診断を受けます。

つづく